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2016年の映画を振り返る「ヘイトフルエイト」 タランティーノ流の豪華絢爛映画は後味最悪の極上映画の巻

ヘイトフルエイト
2016年2月27日

トーリー
クエンティン・タランティーノ監督の長編第8作で、大雪のため閉ざされたロッジで繰り広げられる密室ミステリーを描いた西部劇。
全員が嘘をついているワケありの男女8人が雪嵐のため山小屋に閉じ込められ、そこで起こる殺人事件をきっかけに、意外な真相が明らかになっていく。

豪華絢爛なタランティーノ流娯楽大作
「ヘイトフルエイト」は、35ミリが主流の現在で70ミリフィルムが使用され、レンズは1959年の名作「ベン・ハー」の撮影で使用されたカメラレンズが採用された。
キャストも主役を演じるサミュエル・L・ジャクソンを始め、タランティーノ映画の常連ティム・ロスや実力派俳優カート・ラッセル、紅一点のジェニファー・ジェイソン・リーなど、タランティーノ流の豪華スターが出演、音楽をタランティーノが敬愛する巨匠エンニオ・モリコーネが担当し、第88回アカデミー賞で作曲賞を受賞するなど、豪華絢爛な娯楽作品に仕上がっている。
因みに、日本では70ミリフィルムで撮影した映画を上映出来る劇場が無く、嘆いたタランティーノは映画のPRの為の来日をしなかった。
親日家のタランティーノが来日しなかった辺りに、こだわりとショックを感じる。

とはいえ、いつも通りの酷い内容
「ヘイトフルエイト」は、豪華絢爛な映画として制作されているが、内容はバイオレンス描写満載の、いつものタランティーノ映画。
今回は、特にクライマックスのシーンとか残虐な表現が強く、アメリカでは上映直後に「ホラー映画だ」と言われる事もあり、タランティーノ自身が否定したとのエピソードも…。

俺が思うに、この映画で印象に残るのは「シチュー」だぜ!
個人的にバイオレンス描写の他に、この映画を印象付けるのは「シチュー」だと思う。
物語を進める重要な鍵になったのは確かだし、全員でシチューを食べるシーンは最高に良かった。
「シチューは誰が作ってもシチューだが、シチューを作った人間の味は変わらない」という理論が素晴らしい。

タランティーノ作品で印象的な食事シーンと言えば…

タランティーノ作品で、「ヘイトフルエイト」のシチューに負けない、食事シーンが印象深い作品と言えばこれ

パルプ・フィクション
1994年

タランティーノの名を世に知らしめ、未だにさまざまな都市伝説が語られ、あの哀川翔も衝撃を受けた作品。
サミュエル・L・ジャクソン演じるジュールスが、ハンバーガーを食べてコーラで胃に流し込むシーンが印象的で、ジュールスの恐ろしい性格を表現しつつ、笑えるシーンになっており、間違いなく映画史に残る唯一無二の名場面となっている。
パルプ・フィクション」は時間軸が前後するなど「ヘイトフルエイト」に共通する部分が多い為、「ヘイトフルエイト」が好きで未見の人にはお勧めだが、問題は「おそらく、そんな奴はいない」って事だぜ。