まこちゃの、考える映画ブログ

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2016年の映画を振り返る「残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋‐」ラストどうしたよ!って映画は大人の事情を勝手に考えるの巻

残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-
劇場公開日 2016年1月30日

トーリー
小説家である「私」のもとに、女子大生の久保さんという読者から、1通の手紙が届く。
「今住んでいる部屋で、奇妙な“音”がするんです」好奇心を抑えられず、調査を開始する「私」と久保さん。
すると、そのマンションの過去の住人たちが、引っ越し先で、自殺や心中、殺人など、数々の事件を引き起こしていた事実が浮かび上がる。 彼らはなぜ、“音”のするその「部屋」ではなく、別々の「場所」で、不幸な末路をたどったのか。「私」と久保さんは、作家の平岡芳明、心霊マニアの青年・三澤徹夫、そして「私」の夫・直人らの協力を得て、ついに数十年の時を経た、壮大なる戦慄の真相に辿り着く。

「直接的な恐怖」ではなく「感覚的な恐怖」
「手元に本を置いておくことすら怖い」と評判の、小野不由美の傑作小説「残穢」を「白ゆき姫殺人事件」「予告犯」などの中村義洋監督が映画化。
「呪いのビデオ」や「呪われた家」とか分かりやすいアイテムも出て来ないし、白装束の髪の長い女が襲って来るみたいな「直接的な恐怖」ではなく「夜中、畳に着物がこすれる音がする」「床下から赤ん坊の泣き声がする」など、我々にとって身近な霊現象を感じさせる「感覚的な恐怖」で観ているこちらを不安な気持ちにさせる作風となっている。

「あなたの知らない世界」みたいな映画だなぁ…と思ったら!
作品全体は「私」の独り語りのナレーションや、登場キャラクターが仮名だったり、ノンフィクション的な作風で、個人的には夏休みの昼間によく放送していた「あなたの知らない世界」を思い出させるような映画だった。
「このまま新倉イワオさんみたいな人が出てきて、しっとりとまとめるのかなぁ」と思ったその時。

驚愕のラスト!あなたはこの事実を受け入れられるだろうか?
映画の終盤、突如これまでのテイストをぶち壊しにくるような、驚愕の展開が始まる。
詳しくは言わないが、個人的に「後付け感が満載」のその展開に、何かしらの「大人の事情」が働いたのではないか?と、監督はプロデューサーみたいな人に「何か、物足りないよねぇ?なんか最後にドンッてほしくない?」とか言われたのだろうか?と余計な憶測をしてしまう展開が用意されている。
未見の方は、是非観てほしい、あなたはこの展開を、信じる事が出来るだろうかぁ…。(「あなたの知らない世界」ナレーション風)

映画のテイストをぶち壊しに来た映画と言えば…
ラストが意外な展開って映画は山のようにあるが、個人的にはこの映画。

マグノリア
1999年

ポール・トーマス・アンダーソン監督による人間ドラマ。死期を迎えた大物プロデューサー、彼と確執のある息子、プロデューサーの妻とその看護人、ガンを宣告されたTV人気司会者、彼に恨みを持つ娘、娘に恋する警官、過去の栄光にすがる元天才少年などを描く群像劇で、トム・クルーズも出演している事で話題になった。
作品は、LAに住むさまざまな人間たちの24時間を描いており、それぞれのドラマが最高潮に達した時に、何が起きるか?
まぁ、今更ネタバレでもないと思うので、書いちゃうけど「大量のカエルが空から降ってくる」。
3時間近く人間ドラマを観て、しんみりしてきた所で、これだよ?
当時は意味が分からず、口を開けていたら映画が終わってしまった為、改めて監督のポール・トーマス・アンダーソンが来日した際のインタビューを読んでみると「空からカエルが降ってくるという記述は聖書の中にも書かれております。それと、皆さんは驚くかもしれませんが、この映画はスピリチュアルな映画とも言えると思います。」
…その時に理解出来ない事は、時間が経過しても理解不可能なのね。