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映画『シークレット・マツシタ 怨霊屋敷』は、どこか勘違いしている日本の要素が、絶妙な恐怖を生み出している

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(C)AV FILMS PERU

ペルー全土150館で公開され、興行成績初登場第1位を記録する大ヒットとなった、映画『シークレット・マツシタ 怨霊屋敷』。


幽霊屋敷と噂される「マツシタ邸」に、撮影目的で入った若者達が「女主人」と呼ばれる、謎の存在に遭遇する恐怖を、手持ちカメラや、設置したカメラで映し出していく、ドキュメンタリー風のホラーです。

 

ドキュメンタリー風と書きましたが、実話らしいです。

 

この『シークレット・マツシタ 怨霊屋敷』、舞台が日系人が住んでいた豪邸という事もあり、ちょくちょく日本の要素が出るのですが、これが絶妙なバランスを生み出している凄い映画なので、ご紹介します。

 

『シークレット・マツシタ 怨霊屋敷』あらすじ
ペルーの首都リマに存在する、幽霊屋敷「マツシタ邸」。
この土地は、「女主人」と呼ばれる魔女の呪いがかかっており、ここに豪邸を建てた日系人のマツシタが、一家を惨殺するという衝撃的な事件が起きた…という噂がある。
卒業制作の為、3人の学生が霊媒師と共に「マツシタ邸」に潜入し、一夜を記録しようとする。

だが、設置したカメラが不気味な存在を捉え、次々に発生する怪奇現象に、3人はだんだん正気を失うようになり…。

 

ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の進化系のようなホラー
ペルーで大ヒットし「失神者を続出させた」と言われている『シークレット・マツシタ 怨霊屋敷』。
2013年9月、ペルーのリマで失踪した若者達が、残した映像が6か月後に見つかり、撮影された映像が公開されたという説明から入る本作。


実話らしいですが、作中で触れられる日系人家族にまつわる事件が、もとになっているようです。


この「マツシタ邸」に、3人の若者が入るのですが、この3人が絶妙に人間関係がギクシャクしており、怪奇現象が起き始めた中盤あたりから、喧嘩を始めます。
ここまでだと、1999年に公開され大ヒットした『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』を連想する人もいるでしょう。


ですが、本作は『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の進化系と呼びたいです。

 

設置したカメラが撮影した「怪奇現象」が絶妙
『シークレット・マツシタ 怨霊屋敷』は、失踪した若者達が残した映像を公開している(という設定?)で、手持ちカメラや、各部屋に設置されたカメラの映像で進んでいきます。
ブレア・ウィッチ・プロジェクト』は、手振れが酷く、映像酔いをする人も続出しましたが、『シークレット・マツシタ 怨霊屋敷』は、そこは丁寧に撮影されています。


そして、これらのカメラが「マツシタ邸」に現れる霊の姿などを映し出すのですが、ここでの霊の出現の姿やタイミングが絶妙で「本当にあった呪いのビデオ」シリーズのような、リアリティがあります。

 

霊媒師の存在が絶望的な状況に希望を見せる
『シークレット・マツシタ 怨霊屋敷』は、3人の若者の他に、この「マツシタ邸」に興味を持っていたという、霊媒師も付き添います。
髪を後ろで束ねた、スティーブン・セガールみたいな霊媒師は、序盤では胡散臭い霊媒師ですが、中盤以降では「マツシタ邸」の霊との交信に成功し、ある真実に気付きます。


この真実が、脱出不可能となった「マツシタ邸」から、助かる可能性を感じさせる光になります。


ブレア・ウィッチ・プロジェクト』では、ただただカメラに映された奇怪な映像が流されていましたが、『シークレット・マツシタ 怨霊屋敷』はストーリー性があり、観客を上手く引き付けていきます。

 

衝撃のラスト15分、微妙な日本の要素が恐怖を加速させる?(ネタバレあり)
「マツシタ邸」が舞台になっている事もあり、『シークレット・マツシタ 怨霊屋敷』には、日本の要素が絶妙に取り込まれています。


特に印象的なのは、様々な場所に書かれた「死」の文字。


写真の裏だったり、日本刀だったり、床だったり、いろいろな場所に「死」と書かれています。
日本人なら嫌な予感がしますが、ペルー人には何かのマークにしか見えず、一切気にしない部分も、こちらの不安を掻き立てます。

そして終盤では、若者の1人ヒメナが「女主人」に憑依されてしまうのですが、ある場所に書かれている「死」の文字。
そこ?そこに書くか?と、恐怖と笑いの隙間を見事に突いてくる、どこまでが狙いか分からない、必見の場面となっています!

 

一番怖いのはエンディングテーマ、何の曲で誰が歌ってるの?
このように、絶妙な日本要素が凄い事になっている『シークレット・マツシタ 怨霊屋敷』ですが、個人的に一番不可解だったのがエンドクレジットの際に流れるエンディングテーマでした。


日本人女性が歌う、演歌とも浪曲とも違う、とにかく情念を感じる曲で、一体どこの誰が歌った、何の曲か?本当に分かりませんでした。
歌詞の内容も映画の内容とシンクロする部分があり、妙な不気味さを感じました。
エンドロールにも曲名が表記されていなかった(見逃した?)ので、誰か情報お持ちの方、教えて下さい。
もう一回聞きたいので(笑)。