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映画『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』がボロクソ言われている件について考える

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(C)Resident Evil: Welcome to Raccoon City (2021)

大人気サバイバルホラーゲームを実写映画にした『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』。

バイオハザード」シリーズの映画と言えば、ミラジョヴォヴィッチ版(以下、ジョヴォ版)が過去に制作されていますが、途中から「バイオハザード」という名の、他の何かにしか感じませんでした。

しかし、今回の『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』は、監督と脚本を担当したヨハネス・ロバーツが、ゲーム版のファンという事で「さぞやゲームに忠実なバイオハザードを映像化してくれるだろう」と期待していましたが、実際の評価はボロクソに言われていますね。


ただ、個人的には「そんなに悪くは無いだろう」と思っておりまして、まだジョヴォ版の時の方がガッカリしたよ、個人的には…ね。

そこで『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』がボロクソ言われている理由について、考えてみたいと思います。


バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』あらすじ
かつて製薬会社「アンブレラ」の拠点となっていた街「ラクーンシティ」。
クレアは「ラクーンシティ」の孤児院で、兄のクリスと共に育った。
だが、孤児院に夜中だけ現れる謎の存在、リサ・トレヴァーとの出会いをキッカケに、孤児院のある秘密を知り「ラクーンシティ」を出ていく。
5年後、クレアは孤児院の秘密を探る為「ラクーンシティ」へ戻ることを決意。
ラクーンシティ」に到着したクレアは、クリスの住む住居を訪ねた。
しかし「ラクーンシティ」に、突如緊急警報が流れる。
緊急警報をキッカケに、豹変を始める街の住人達、一体「ラクーンシティ」に隠された秘密とは?

ボロクソ言われる理由①
キャラクターが全員「お前誰だよ!」
バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』は、ゲームに登場するメインキャラクターが主役になっています。


クリス、クレア、ジル、レオン、ウェスカーと、ゲーム版をプレイをした人にはお馴染みのキャラクターが中心になっており、オリジナルキャラクターを中心に物語が展開したジョヴォ版とは、そこが大きく違います。


ただ、全員に対して「お前誰だよ」と感じてしまうのも事実。

クリスとクレアの兄妹は、まだギリギリOKかなって思う。
ただ、ジルはもう少しゲーム版に似せて欲しかったし、レオンに関しては、ただの役立たずになってしまったのは確かにショックだった。
ウェスカーに関しては、ゲーム版のカッコよさは皆無で、ジルやウェスカーはジョヴォ版の方が良かった。

ただ事前に『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』のポスター見た時から「誰が、誰だ?」って思ってたから、キャラクターが全然違う問題は、個人的には、覚悟してたし、そんなに気にならなかった。

ボロクソ言われる理由②
展開が無茶苦茶
バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』は、ゲームの1作目と2作目を合わせたような内容になっており、1作目の舞台になる洋館「スペンサー邸」と2作目の舞台になる「ラクーンシティ警察署」でのストーリーが同時進行します。


まぁ、シリーズのメインキャラクターを一気に出そうとしたら、その構成になるのは分かるけど、展開がやたら早すぎて強引だから、滅茶苦茶に感じてしまう。

 

ゲーム版を知っていれば、なんとなく納得も出来るかもしれないけど、未プレイの人からすると理解できない展開の連続ではないかと。
特に、脈絡なく墜落するヘリコプターや、クライマックスに唐突に登場する「ロケットランチャー」なんか、ゲーム版知ってても「流石にそれは…」と思いました。

俺の言い分①
それでも「バイオハザード」の世界感は体験できる!
バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』がボロクソ言われる理由について「キャラクターとストーリーがダメ」と、ある種結論が出ましたし、映画にとって致命的ではなかろうかと思いますが、それでも個人的には「ジョヴォ版より上」と言いたい。

 

理由は「『バイオハザード』の世界感は体験できる!」から。


カプコンから設計図を借りて作り出した「スペンサー邸」と「ラクーンシティ警察署」のセットは、ゲーム版を完全再現しようとしてるし「スペンサー邸」での人肉を喰らうゾンビがこっちを振り返る場面や、後半のリッカー登場もゲーム版の印象的な場面を再現しようとしている。

 

間違いなく、ジョヴォ版より「バイオハザード」を作ろうとしているし、「バイオハザード」を体験させようとしている、その熱意は認めるべきだ!

 

俺の言い分②
バイオハザード愛」深きゆえに
前述したように『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』の監督と脚本を手掛けたヨハネス・ロバーツは、バイオハザード愛」が強く「『バイオハザード』は自分の一部」と言っています。

 

映画を観れば分かりますが、ゲーム版の「バイオハザード」の要素をいたるところに入れており、ファンを楽しませようとしたのは事実です。
ただ「かゆうま」みたいに「そこじゃないだろ」的な入れ方をしている部分もあり、上手ではなかったし「じゃあキャラクターもうちょいなんとかならんかったのか?」とも思います。

 

しかし『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』で、ヨハネス・ロバーツが目指したのは「ゲームを意識しつつ、ホラー映画としてバイオハザード』のバランスを成立させる事」。

つまり、前提として「ホラー映画」を製作し、そこにゲームの要素を入れて、ゲームファンを楽しませるという、かなり難しい事に挑んだんです。

 

ヨハネス・ロバーツ「『バイオハザード』の世界に息を吹き込みたかった」という言葉からも分かる通り、「バイオハザード愛」深きゆえに、正直空回りしてしまったのではないかと思います。


それでも、途中から夫婦の飯のタネの為に作っているようにしか見えなかったジョヴォ版より、「バイオハザード」にかける心意気は上だったし、そこは評価したい。

 

結論:続編作れ!
バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』は、続きがあるような終わり方をしますが、多くの人が「もうねぇよ」と思っているでしょう。


しかし、ヨハネス・ロバーツも今回の反省を活かし、次回は「もう少しゲームに振り切るか?」それとも「ゲームを意識しないか?」という、決断が必要になるはずです。


ヨハネス・ロバーツの「バイオハザード」にかける情熱は、間違いなく本物なので、あえて続編を制作して、次はどうなるか?を見てみたいです。

 

もう1本ぐらいいいだろう?ジョヴォ版の1作目の時に「もういいよ」って思ったけど、6作も続けやがったんだから!