まこちゃの、考える映画ブログ

少し前の映画とか、最近の映画とかについて語るブログ

映画『ソー ラブ&サンダー』は、MCU史上最も愛に溢れた作品?(ネタバレあり)

(C)Marvel Studios 2022

アベンジャーズの中心メンバー「雷神」ソーの、新たな冒険を描いた映画『ソー ラブ&サンダー』。

一時期『アベンジャーズ/エンドゲーム』を最後に、ソー役のクリス・ヘムズワースが降板するという噂もあったので、4作目が製作されたこと自体が驚きでした。

そして『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013年)以来となる、ジェーン・フォスターが再登場し、物語の鍵を握る重要な存在となります。

新たなソーの冒険は、どのような内容なのでしょうか?

映画『ソー ラブ&サンダー』あらすじ

サノスとの激闘の後に、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーと共に宇宙の旅に出たソー。
激太りした自身の体をシェイプアップし、宇宙を守る気ままな戦いに投じていました。
ある時、「神殺し」の異名を持つゴアが、アスガルドに危機をもたらす事を知り、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーから離脱し、独自の行動を取るようになります。
アスガルドに再び降り立ったソーの前に、聖なる武器「ムジョルニア」を操る、新たな「マイティ・ソー」が姿を見せます。
その正体は、かつてのソーの恋人ジェーン・フォスターでした。
ソーは戸惑いながらも、ジェーンと共にゴアとの戦いに身を投じますが…。

新生ソーの、宇宙を股にかけるハチャメチャな大冒険

アベンジャーズ/エンドゲーム』以来の登場となる「雷神」ソー。
マイティ・ソー』(2011年)と『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013年)は、北欧神話の世界観を重視した物語でしたが、マイティ・ソーバトルロイヤル』(2017)からコメディ路線に切り替わります。

これは「アイアンマン」や「キャプテンアメリカ」のシリーズが、リアルでシリアスな路線になっていくにつれて「雷神」という設定から合流が難しくなったソーの、キャラクターそのものを変更し「リミッターを外す」という目的があったようです。

リミッターが外れたソーは、『アベンジャーズ/エンドゲーム』で激太りした姿を見せるなど、コメディ路線の、結構なんでもありのキャラクターになっていきました。

そして『ソー ラブ&サンダー』は『マイティ・ソーバトルロイヤル』の方向性を受け継いでいます。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーと行動を共にするようになったソーは、各地で騒ぎを起こす、お騒がせヒーローとなっていました。

ゴアとの戦いを決意し、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーから離れる事を決意したソーと、さっさと別れたいピーターとの温度差から、これまで各地で騒ぎを起こしていた事が分かります。

ここから、ソーの冒険は宇宙→新アスガルド→神々の宴会場→影の星と、目まぐるしく変化していきます。
本当に展開が目まぐるしいのですし、正直説明不足の部分もありますが、本作のソーのように、細かい事は気にしないスタンスで楽しむのが良いでしょう。

神への憎しみの権化!魅力来なヴィラン「ゴア」
宇宙を目まぐるしく駆け巡る、ソーが戦う今回の敵は「神殺し」の異名を持つゴアです。

ゴアは、心から崇拝していた神に裏切られ、神への憎しみから、神を殺せる剣「ネクロソード」を操り復讐を果たしていきます。

ゴアの見た目は、白くやせ細った体を布一枚で隠している、まさに「憎悪の化身」という見た目で、シンプルだからこそ、おぞましさを感じるデザインになっています。

特に「影の星」での戦いは、全てが白黒になっている為、ゴアの禍々しいオーラが強調されており、ヴィランながら、ものすごくカッコいいです。

全体的に軽く楽しいノリの本作において、ゴアの存在が作品全体に緊張感を与えています。

あらゆる「愛」が盛り込まれた作品
『ソー ラブ&サンダー』のは、約10年ぶりに、ナタリー・ポートマンが演じるジェーンが登場する点が見どころの1つになっています。

シリーズを通して「何か別れたらしい」ぐらいの情報しかありませんでしたが『ソー ラブ&サンダー』で、別れの一部始終が明かされます。

特にドラマがあった訳ではなく、倦怠期によるすれ違いでした。
別れる理由が、ヒーローとか雷神とか関係なく、男女の間でよくある問題だったというね。

ただ、本作はソーとジェーンの再会から始まる「愛」を始め、ゴアと娘の「親子愛」ヴァルキリーの民を想う「人類愛」など、さまざまな愛が描かれています。

特に、昔の武器「ムジョルニア」と再会したソーが、今の武器である「ストームブレイカー」に嫉妬されるという、謎の三角関係も描かれており、間違いなくMCU史上、愛に溢れた作品ではないでしょうか?

本作のタイトル「ラブ&サンダー」の理由は、最後に明かされますが「自分探し」をしていたソーが、新たな愛に出会い、活路を見出すという、なかなか面白い展開となっています。

【ネタバレ】唯一「愛」を感じない、あのキャラクターが今後の鍵を握るのか?
あらゆる「愛」に溢れた『ソー ラブ&サンダー』ですが、本作で唯一「愛」を感じないキャラクターがいます。

それは、全知全能の神であるはずのゼウスです。

ゼウスは、ゴアの脅威を感じながら、自分の保身のみに走り、平和の為に全く戦おうとしません。

呆れられたソーに謀反を起こされたうえに武器まで奪われ、ゼウスは一方的な恨みを、ソーに抱くようになります。

エンドロール後に、ゼウスはヘラクレスに、ソーを倒すように命じますが、これが今後の重要な展開に繋がるのでしょうか?

とりあえず、ソーのシリーズはまだまだ続きそうですね。