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映画『ゴーストバスターズ/アフターライフ』は過去作への心からの愛とリスペクトを感じる「最高」しか言葉が見つからない映画だ!(ネタバレあり)

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(C)Ghostbusters: Afterlife

1984年に公開され、大ブームを巻き起こした映画『ゴーストバスターズ』。
1989年に続編となる『ゴーストバスターズ2』が公開されますが、人気シリーズにも関わらず、数十年間続編が制作される事はありませんでした。
3作目に関して、いろいろ噂が広がり「ウィル・スミスに出演オファーしたら、断られて白紙になった」や「ビル・マーレイが嫌がっている」など、信憑性が定かではない情報が出回りました。

ウィル・スミスはともかくとして、ビル・マーレイは『ゾンビランド』で、楽しそうに「ゴーストバスターズごっこやってたやないかい!
と大声で叫びそうになった事もありました。

ですが、2022年に突如として「ゴーストバスターズ」シリーズの新作が登場します。
前々から噂はありましたが、前述したように「ゴーストバスターズ」関係の噂は信憑性の怪しい情報が多いので、話半分に聞いてました。

だって、がセ情報だった時にガッカリしたくないから。

しかし、そんな心配は必要なく『ゴーストバスターズ2』の正当な続編『ゴーストバスターズ/アフターライフ』は、無事に公開されました!
観賞した感想ですが「最高」以外に言葉が見つからなかったので、何が「最高」だったのか、考えていきたいと思います。


ゴーストバスターズ/アフターライフ』あらすじ
母親に連れられて、祖父の住んでいた田舎町に引っ越してきたフィービー。
フィービーは兄のトレヴァーと共に、田舎町の雰囲気や、怪しげな祖父の屋敷に戸惑う様子を見せる。
さらに、祖父の屋敷には目に見えない何者かが住み着いているようだった。
ある時、フィービーは何者かに導かれるように、祖父が残した研究施設に辿り着き、かつて存在した、幽霊退治のプロ「ゴーストバスターズ」が使用していた幽霊捕獲装置の「トラップ」と「陽子ビーム砲プロトンパック」を見つけ出す。
同じ頃、トレヴァーも車庫にあった「ECTO-1」と書かれた改造車を見つけ、独自に修理を始める。
フィービーとトレヴァーの祖父は、「ゴーストバスターズ」の一員で科学者だったイゴン・スペングラー博士だった。
やがて、30年姿を見せなかったゴースト達が、再び目を覚まし、街に混乱が訪れるようになり…。

 

最高①「『ゴーストバスターズ』の精神を受け継いだ展開が最高!」
過去2作の「ゴーストバスターズ」シリーズは、1980年代のニューヨークを舞台に、超常現象や幽霊・霊体の研究を行っている科学者が主役でした。
ですが、ゴーストバスターズ/アフターライフ』では、舞台をニューヨークとは正反対と言ってもいい田舎町に変更しており、メインキャラクターも全員が10代です。

その為、序盤では1980年代を知らなかった世代が、「ゴーストバスターズ」の存在を知り、自らが幽霊捕獲装置を武器に、ゴーストと対峙するまでが描かれています。
かなり丁寧に物語が進むので、少しゆっくりに感じるかもしれませんが、フィービーが「陽子ビーム砲プロトンパック」を、トレヴァーが「ECTO-1」を修理していく展開は、多くの人が忘れていた「ゴーストバスターズ」を、新たな世代の手により復活させるという印象的な場面になっており、かなり胸が熱くなります。

そして、街に現れた鉄を食べるゴーストと最初の戦いになるのですが、街中を猛スピードで駆け抜ける「ECTO-1」の中から、プロトンパックで陽子ビームを発射させるフィービーは、街の大半を破壊していきます。

過去作でも、ゴーストを退治するのにホテルやビルの屋上を破壊している「ゴーストバスターズ」は、まさにお騒がせという存在だったのですが、その流れを完全に継承していますね。

また、過去作ではニューヨークという大都会に、イマイチ居場所が見つからず、ピーターやレイモンド、イゴンは居心地の悪い感情を抱いておりゴーストバスターズ2』で「善意の無い、住みにくい街」と言っています。
ゴーストバスターズ/アフターライフ』では、都会から来たフィービーとトレヴァーが、田舎に居心地の悪さを感じている描写もあるので、そこも「ゴーストバスターズ」シリーズの、作品の精神を受け継いでいると言えます。

 

最高②「数十年の時を経て、オリジナルメンバーが再集結」
ゴーストバスターズ/アフターライフ』は、新たな世代の物語になっていますが、フィービーとトレヴァーは、イゴンの孫で、過去作との接点を持っています。
本作の中盤でフィービーが、昔の「ゴーストバスターズ」の電話番号にかけ、現在はオカルト専門の本屋を営んでいるレイモンドと話をする場面で、「ゴーストバスターズ」は完全に消滅しており、その決定的な原因を作ったのが、イゴンである事が分かります。
さらに、ピーターは大学教授になり、途中からメンバーに加わったウィンストンは、事業を成功させ、それぞれの道を進んでいました。

それぞれの道を進んだオリジナルメンバーですが、このフィービーの電話をキッカケに、再集結します。
しかも「出て来るなら、ここしかない」という最高のタイミングで現れます。
数十年ぶりのレイモンドとピーターのやりとりは、涙なしじゃ見れませんでした。

ゴーストバスターズ/アフターライフ』は、これだけでも最高だったのですが、さらに涙腺が崩壊する展開になっていきます。

 

最高③「ハロルド・ライミスに本気で捧げた映画」
ゴーストバスターズ/アフターライフ』には、オリジナルメンバーのレイモンドとピーター、ウィンストンが集結しますが、イゴンを演じ過去2作の脚本にも携わっていた、ハロルド・ライミスは2014年に亡くなっており、出演が叶いませんでした。
ゴーストバスターズ3』は、一度本格的に指導しましたが、ハロルド・ライミスが、この世を去った事で完全に凍結したという噂もありました。

もう4人が揃う事は無い…。

と思ったら、揃うんですよ、オリジナルの「ゴーストバスターズ」メンバーが4人。
これは、もう「映画じゃないと無理」としか言えない方法で、4人が揃うんです。
そして、因縁の相手である破壊神ゴーザと戦うんです。
この展開に涙が止まらなくて、画面がちゃんと見れてないんで、もう1回見ようと思いますが、とにかく「最高!」しか言葉が見つからないクライマックスの展開!
前半の展開がゆっくりなんで「大丈夫か?」とか思った自分を全力で殴りたい。

本作の監督ジェイソン・ライトマンは、過去2作の「ゴーストバスターズ」シリーズを監督したアイバン・ライトマンの息子さんです。
ジェイソン・ライトマン「ずっと、ハロルドのファンだった」と語り、尊敬しながら成長した事を明かしています。
父親のアイバン・ライトマンから「ゴーストバスターズ」という大作を引き継ぎ、「ハロルドならどうするか?」と考えながら脚本を書いたそうです。

作中で、イゴンのゴーストが、フィービーとトレヴァーに何度か手を貸す場面がありますが、これは大作を引き継いだジェイソン・ライトマンの「ハロルド助けて」という思いを映画に込めたのかもしれませんね。

 

ジェイソン・ライトマンは、完成した脚本を、最初にダン・エイクロイドに見せ、気に入ってもらった事で安心したそうです。

 

ゴーストバスターズ/アフターライフ』のラストで「ハロルドに捧ぐ」と出ますが、ここまで本気で捧げた映画を観たのは初めてです。

とにかく、過去作を本気でリスペクトし、愛情をフルに詰め込んだ事はよく分かる『ゴーストバスターズ/アフターライフ』。

最後に続編を示唆するような映像もありましたが、今後どうなるか?はともかくとして、現時点では何度も言いますが「最高」以外に言葉が見つからない傑作でした!