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映画『カウンセラー』は、何とも言えない不安な気持ちになる、奇妙な42分間を体験できる短編怪奇心理サスペンス!

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映画『カウンセラー』

 

心理カウンセラーの倉田真美が、突然現れた不思議な女性、吉高アケミの診療を開始した事から始まる、奇妙な恐怖を描いた42分の短編映画『カウンセラー』。

約110万円の資金で製作された本作は、作中の倉田の不安が伝染してくるような、精神的に何とも言えない「嫌な気持ち」になる、短編怪奇心理サスペンスです。

短編では史上初となる「SKIP国際Dシネマ映画祭2021」の「SKIPシティアワード」を受賞し、上映館を拡大させている本作は、2022年3月下旬から、渋谷の「ユーロスペース」にて2週間のレイトショー上映も決定しました。

本作の、一体何が、こんなに不安な気持ちにさせるのか?ネタバレはしないように、いろいろ考えてみたいと思います。

 

『カウンセラー』あらすじ
心理相談室に勤める心理カウンセラーの倉田真美。
彼女は出産を控えており、産休前の最後の出勤となった日、予約なしで心理相談室を訪れて来た、吉高アケミの診療を行う事になる。
「妖怪が見える」と語る吉高は、倉田にそれまでの経緯を話し始めるが、彼女の話は後ろめたい過去の告白だった。
だが次第に倉田は、吉高の過去を聞くうちに、自身も恐ろしい妄想にとりつかれるようになっていく…。

 

何とも言えない不安な気持ちになる要素①
吉高さんがとにかく怖い

出産を目前に控えた心理カウンセラー倉田が、突然現れた相談者、吉高の診療を行う中で、恐ろしい妄想へと足を踏み入れていく映画『カウンセラー』。
とにかく観賞していて、倉田の不安が伝染してくる作品ですが、その理由は間違いなく、吉高のキャラクターにあります。
吉高は、予約も無しに突然診療所を訪れる、少し変わった人ですが、何かが狂っているという女性ではありません。
倉田は、問題なく吉高とコミュニケーションをとる事もでき、会話は成立しています。

ですが、吉高は事前に記入をお願いしていた、アンケート用紙に何も書かず渡してきたり、リラックスさせる為のハーブティーを一気飲みしたりと、何かがおかしいのです。

映画とか見ていて、明らかに狂ったキャラより、どこかが少しおかしい、噛み合わないキャラの方がリアルな恐怖を感じますが、吉高はボディブローを打つように、こちらに的確な「恐怖」と「不安」を与えて来ます。

 

何とも言えない不安な気持ちになる要素②
主人公であるはずの倉田も信用できない

吉高がとにかく怖い、映画『カウンセラー』。
普通なら、産休の前日に吉高と遭遇してしまった倉田に、激しく同情し感情移入するところですが、物語が進むにつれて「どうも、この倉田も信用できないな」と不信感を抱くようになります。
これ以上は、ネタバレになってしまうので、何一つ触れませんが、中盤あたりから、観客は間違いなく混乱してくるでしょう。
「これは一体、どういう事?」という不安が、渦巻いてきます。

 

何とも言えない不安な気持ちになる要素③
「意味が分かると怖い話」的な恐怖

「妖怪が見える」と相談して来た吉高ですが、なかなか本題に入りません。
ですが、支離滅裂に思えた話は、全て繋がって来ます。
ラストに関して、何も言えませんが、個人的にですがネットや書籍などで見かける、「意味が分かると怖い話」的な恐怖を感じます。
妖怪って、一体何なんでしょね?

吉高さん、本当に怖いです。