【Netflix】映画『カーター』は、なかなかの実験作だけどツッコミ要素満載の作品だった!
「Netflix」で2022年8月5日から配信が始まった、韓国のサスペンスアクション映画『カーター』。
記憶を失った男が、祖国とか家族とかを守る為に、戦いに身を投じるという内容。
「ジェイソン・ボーン」シリーズとか、2002年の『カンパニー・マン』みたいな作品かと思って観賞してみると、思ったのといろいろな意味で違ったので、普通に感想を書いていきます。
『カーター』あらすじ
記憶を失った状態で、理由も分からず「CIA」と謎の組織の争いに巻き込まれた男カーター。
耳に埋め込まれた通信装置から聞こえる、謎の女の指示に従うしかなくなったカーターですが、実はカーターには世界に蔓延しているウィルスを解決に導く、ある任務が課せられていました。
カーターが失った記憶の秘密は?謎の組織の正体は?
さまざまな謎が交錯する中、カーターの孤独な戦いが始まります。
ワンカットで展開される、革命的なアクション映画
記憶を失った男、カーターの孤独な戦いを描いた本作。
なんといっても一番の特徴は、記憶を失ったカーターが目覚めて以降、ワンカットで物語が展開されるという点です。
ワンカットで物語が進行する作品は、過去にもあったし、特にそこが珍しい訳じゃないですが、なんと『カーター』はアクション満載の内容で、それをワンカットで見せているのは、ハッキリ言って革命的ではないでしょうか?
ドローンを駆使したカメラワークは、最初のやくざがいる銭湯での闘いから迫力満点で、この独特のカメラワークを見るだけでも本作は価値があると思います。
とにかく実験的な作品だと思います!
と思いますが…映画として見ると「ん?」と思う部分もありまして、以下から個人的に気になったツッコミどころとなります。
ツッコミどころ
・「不死身か?」って思う程に何があっても死なないカーター
いきなりネタバレしてしまうと、カーターは特殊工作員で、世界に蔓延したゾンビウィルスの特効薬を開発させる為に、抗体を持った女の子を実験施設に連れて行く事が使命となっています。
特殊工作員だから強いのは当たり前ですが、裸でガラスを突き破ろうが、高いビルから落ちようが、爆風を近距離で受けようが、とにかく死なない。
別にカーターの死ぬところが見たい訳じゃないけど、ここまで不死身だと、流石にアクション映画としてどうなのよ?というレベルです。
途中から「カーター無敵モードなんだ」と思いました。
・僅か2時間で、流石にこれは無理があるって!
『カーター』の最大の魅力は、ドローンなどを駆使した独特のカメラワークで、ワンカットで物語が展開される点です。
ハッキリ言えば、ワンカット風に見せている映像で、いくらワンカット風とは言え、敵の工作員と空中で繰り広げる、パラシュートを取り合う戦いは、もうちょい上手く見せてほしかった…だって落ちてないじゃん!
で、ワンカット風の展開なので、作中でも全部が2時間の出来事として描かれています。
記憶を無くしたカーターが、訳も分からず装備を渡されて、抗体を持つ女の子を助けて、追手を振り切り飛行機に乗って、北と南の朝鮮半島問題に巻き込まれて、飛行機が墜落して、ウィルスに侵されたゾンビの集団に襲われて、北朝鮮の反乱者に拘束されて、仲間(実は嫁)を助けて逃亡中に記憶が戻って、最後は自分の娘を守る為に、北朝鮮の反乱者も倒して治療院に向かう電車に乗り込む!が、2時間の出来事です。
濃すぎる!ってか無理がある!
もし2時間で、本当にここまで出来るなら、自分が過ごしてきたこれまでの2時間を、見直していこうと思いました。
・ラストで確信した!これって…
とにかく豪快な作品の『カーター』ですが、本作のラストで、カーターの家族が乗り込んだ列車の線路が爆発して終わります。
これまで、いろいろあった、めちゃくちゃな展開は「まだ続くよ~」ってことですよね。
このラストで確信したんですが、この作品は実はコメディなんだって。
で、あれば、ここまでの豪快な展開の数々も納得がいくし、カーターが死なないのも「コメディだから」で説明がつく。
と言う事で、アクションコメディ映画『カーター』は、映像は本当に革命的なので、間違いなく一見の価値はありますが、流石に2時間は長いかな?という印象です。